ビジネスコミックのノウハウを最新事例とともにご紹介する本ブログ!
第2回目のメイントピックは『池上彰のマンガでわかる経済学<1><2>』!
6月に発売された1巻は、すでに多くの書店で平積みされているようですね。
ポップな帯が目を惹く第1巻は、2人の頼りない新入社員の成長を描いた奮闘記。
「経済学」と聞くとどうしても身構えてしまいますが、そこを「読みやすく」「親しみやすく」するのがビジネスコミック!
主人公2人のへっぽこ具合に、くすっと笑いながら気軽に読める1冊になっています。
そして、その続きを描く第2巻が7月25日に発売されました!
第1巻では「経済のしくみ」編として、基礎の基礎を扱っていますが、第2巻「ニュースがわかる」編では戦後以降の日本経済をピックアップ。デフレ、国債、円高、年金、産業の空洞化など、言葉は聞いたことがあっても中身についてよく分からない内容を、へっぽこ主人公2人と共に学んでいくストーリーです。
お気づきのとおり、『池上彰のマンガでわかる経済学』は2巻構成のビジネスコミックです。
これはいわゆる「続刊」として制作したものではなく、当初から2巻構成で制作することが決定しておりました。
ビジネスコミックで「勉強した!」と満足してもらうには
ビジネスコミックに限らず、続刊が作られる理由は「1冊めが売れたから」!。弊社で制作したビジネスコミックでも、初速が良かったものはすぐに続刊制作のオファーがくることが多いです。
(『マンガでわかる! マッキンゼー式ロジカルシンキング』や『マンガでやさしくわかるアドラー心理学』『ザ・ゴール コミック版』などがそのパターンです!)
弊社編集部にとっても、作画&シナリオ担当の者にとっても、続刊のお話をいただけるのはとっても嬉しいことです。
すぐさま次の制作に取り掛かることがほとんどですが、タイミングによっては2巻が出来上がるまで1年近くかかることも。
このタイムラグが吉と出るか凶と出るかは、コミカライズする題材にもよりますが、『池上彰のマンガでわかる経済学』のような学習マンガにとっては、1年のタイムラグはあまり好ましくないかもしれません。
なぜなら「1冊だけじゃ網羅的に学んだとは言い切れないよ」と思われてしまう可能性が高く、
しかもその物足りなさを補うために、発刊されるかどうかわからない続刊を1年も待ってくれるなんて人はいないからです。
そもそも、マンガって1ページに収められる情報がとっても少ない媒体なんです。
ビジネスコミックを制作する際、私たちは
・ターゲットをきちんと絞ること
・コミカライズで伝えるメソッドを厳選すること
に注力し、“本当に大事なことが分かりやすく読める”状態を目指します。
しかし「学習マンガ」はあるテーマについて網羅的に解説する必要がある分野。そのためトピックを厳選することが、「〇〇について理解するには内容が不足している」という印象になる恐れがあります。
この「〇〇について理解するには物足りない」という印象を払拭するため、編集部がおすすめしているのが2巻同時制作です。
伝えるべき内容がたくさんあるときに気を付けるポイント
『池上彰のマンガでわかる経済学』と同様に、2巻同時制作を行ったのが『マンガ 経営戦略全史』です。
こちらは「確立編」と「革新編」の2冊を一度に制作し、同時発売したもの。
『池上彰のマンガでわかる経済学』も『マンガ 経営戦略全史』も、ターゲットはきちんと絞られています。ただ、一般のビジネスコミックと違うのは、そのターゲットである初心者・初級学習者に押さえてもらいたい内容が多いことです。
このような「内容をたくさん詰め込みたい!」タイプの本をコミカライズするときに、1冊に無理やり詰め込もうとすると、結局文字だらけになってしまいます。
文字がぎっしり詰まったマンガの誌面って、文字だけの本より何倍も読みづらいもの。
それではわざわざコミカライズをする必要がなくなってしまいますね。
そんな心配を解消するためには、最初から2冊以上に分けて制作することが有効なのです。