トレンド・プロ出版編集部の檜山萌子です。
前2回では、最新制作事例を紹介しつつ、ビジネスコミックの「ターゲット層」「満足度」について解説しました。
今回は少し視点を変えて、絵柄について解説したいと思います。
ビジネスコミックの絵柄は大きく分けて3種類
ビジネスコミックを制作する際に、必ず出てくるのが “漫画家(絵柄)選び” 。
マンガのストーリーの方向性が見えてきたら、次の段階では、企画内容や原著の著者の意向を伺った上で、トレンド・プロ編集部から、その本に合う漫画家(絵柄)を提案いたします。
その際にまずお聞きする意向としては、次の3種類のどのパターンの絵柄がいいかということ。
(1)万人向け:男女問わず20~30代のビジネスパーソンが手に取りやすいタッチ。
(2)青年誌風:青年誌のようなタッチ。コアターゲットが男性に設定されている場合。
(3)女性向け:レディースコミックのようなタッチ。対象読者が女性である場合。ターゲットの年齢層によって女性誌風か少女漫画風かで分ける場合も。
※本のテーマによっては、第4の選択肢として「コミックエッセイ風」をご提案することも。
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それぞれの絵柄(タッチ)を見ていきましょう。
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(1)万人向け
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「男女ともに幅広い読者に届けたい」という場合であれば万人向けタッチが最適です。弊社制作のビジネスコミックで一番多いタッチでもあります。女性読者にも受け入れられやすくて、男性読者が電車の中で本を開いても恥ずかしさがない、そんな絵柄だといえます。
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(2)青年誌風
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男性読者が主たるターゲットとして想定されるビジネスコミックでは、青年誌タッチの漫画家を推薦しています。想定読者の年齢層が高めの場合は、より劇画色強めの漫画家をアサインして誌面に重みを出すよう工夫することもあります。説得力、迫力を出したいときに選びたい絵柄です。
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(3)女性向け
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読者が女性にしぼられるとわかっている場合は、女性向けの絵柄で表現したほうが受け入れられやすいでしょう。弊社の作品では、たとえば次のような書籍。
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打ち合わせの際、弊社内にあるサンプルを見ていただきながら、よりターゲットに響く絵柄を、出版社の担当編集の方といっしょに検討していきます。
今回は絵柄にしぼって話していますが、実際には「画面の濃淡」「コマ割りの仕方」など、マンガの「演出」に関する部分を含めてどの漫画家が合っているか検討を進める場合が多いです。
「あの絵柄がいい」「こっちもいい」と、サンプルを並べてディカッションする時間は、制作の中でも一番楽しいときでもあります。